ETCの新セキュリティってなんだ

b3g2018-06-08
 ネットをうろうろしていて偶然知ったのですが高速道路の料金支払いに使うETCにおいて新しいセキュリティ規格のものに2030年をめどに切り替えられるとのこと。まだ10年以上も先のことですが、これは最長で、現行のシステムに脆弱性がある場合は予定より早くなるとにおわせています。で、切り替え後は現行の旧規格の機器は使えなくなると。最近では新車を買って10年以上乗る人も多いので、そろそろ車を買う予定があってETCを取り付ける人は注意しておいたほうがいいかもしれません。
 この方針が公表されたのが昨年の10月で国土交通省のこれが元みたいです。ではETC車載器の対応はどうなんだと調べてみると、なんだかあやしいニオイがぷんぷんします。というのも価格.comで人気ランキング上位のパナソニック、日立、三菱電機、ケンウッドのETCの商品ページを見に行っても新セキュリティに関しての説明を避けているとしか受け取れないからです。
 パナソニックセキュリティ規格一覧表があるものの、製品ページのページでは一見して新セキリュティに対応しているかどうかわかりません。
 日立は現行機種がひとつだけでこちらのページになりますが、新セキリュティに関して説明はページの一番下に

  • ETCにおいてお客様の決済情報を将来にわたり安全に保護するため、セキュリティ規格の変更を予定しています。
  • 新セキュリティ対応車載器、新セキュリティ対応ETCカードは将来実施されるセキュリティ規格の変更に対応しています。
  • 本製品は、従来セキュリティ対応車載器となります。

とぱっと見て分かりづらく、よく読むと非対応とのこと。従来セキュリティ対応と書かずに、新セキュリティに対応していませんとだけ書けよ。
 三菱電機新セキュリティ対応ETC2.0車載器/ETC車載器に関するお知らせページはありますが、その内容は国土交通省を始め高速道路会社に丸投げ。自分のところのどの商品が対応しているかの表記もありません。
 ケンウッドにいたっては新セキュリティに関しての記述を見つけられませんでした。
 こういう規格変更って国と業界が調整して進めるもんだと思うのですが、2017年10月の発表と同時に対応した新機種をプッシュするのが普通の売り方じゃないのでしょうか。現状、上記のようにどのメーカーも表立って新セキリュティ対応機種を売っていません。
 しかし例外もあってデンソーの商品ページではきっちりと新セキリュティ対応車載器と記載されています。安心してデンソーのETC車載器は選べます。
 こうなった背景としてかんぐると、高価なETC2.0車載器を売りたいので、新セキュリティへの切り替えを気にしつつも無知なユーザーをターゲットにするため、対応、非対応をあいまいにして2.0へ誘導しようとしているのかもしれません。でも2.0でも新セキュリティに非対応の機種、DSRCと表記されているやつはまだ売ってるんですけどね。
 もしくは新セキュリティへの切り替え時期があいまいなため、ヘタに今から対応してますと言っても、実際そのときになるまで製品保証ができないというのが理由からかも。確かに12年後の保証はムリでしょうが、だからといって今日明日買う顧客への配慮が足りないと思いますけど。
 ETCのカードの方は三井住友VISAJCBともに同じ文面。つまりはまだ何も会社として対応しませんとのことです。これ上記車載器メーカーでも同じような文面なので、ETC業界の多くが同じくこれからということなんでしょうか。まあETC車載器が毎年のように新機能の追加とかでライフサイクルが短い商品でもなさそうなので、今あるラインナップを当初の予定期間売り続けて、それから新セキュリティ対応を前面に売り出すつもりなのかもしれませんね。メーカーとしては対応が遅すぎると思いますが。
 ちなみにETCのセキュリティ規格ってなんだと調べてみましたがこちらの資料によると内容については外郭団体がにぎっていて協定を結んだ製造メーカ以外に開示されないとのことで詳細は不明です。まあ暗号方式に関する部分なんでしょうけど。FAQには

お客様のETCでの決済情報を保護できなくなる可能性があるため使い続けることはできません。

とかありますけど、ホントはB-CASカードみたいに偽造情報も通すようになって収益が悪くなるからなんでしょ。