vSphere Data Protection 6.1.4へのアップグレード

 vSphere Data Protectionの6.1.4が3月16日付けで公開されました。リリースノートはこちらから。
 うちの環境はvSphere 6.5にしたときに6.1.3を導入しています。ここからISOファイルを使用したアップグレードを実施してみました。
 まず最初にVDPマシンにそのISOファイルを接続します。が、いったん仮想マシンの電源をOFFにしないと接続できませんでした。電源OFF後、設定を変更してISOイメージを接続し、電源を入れます。電源OFFもONもサービスの応答が遅くて結構時間がかかりますね。
 仮想マシンのコンソールに青画面でWelcome to the vSphere Data Protection 6.1 applianceと表示されるまで待ってから、https://vdp:8543/vdp-configure/ のページにようやくアクセス可能となります。ログオンしてアップグレードのタブから更新を実施しようとするのですが、ここでもパッケージの確認に待ち時間が、さらに実行前にスナップショットの作成が必要とのことで手間が必要です。
 パッケージのインストールも結構時間がかかります。そして途中でトラブルが。60%を超えたあたりでアップグレードが終了してしまい。スナップショットを戻してやり直せとのメッセージ。1回目はたまたまかなと思い、言われるまま2回目を実施したのですが、同様の現象でした。
 上記リリースノートでは

vSphere Data Protection upgrade from 6.1 fails at 60% progress. (270037)

として6.1からのアップグレードのときに60%で失敗する場合、解決策として順番に6.1.2、6.1.3、6.1.4に上げていけとのことですが、今回は6.1.3から6.1.4ですし、60%は過ぎています。どうしたものかと調べるとこちらの記事を発見しました。どうやら/etc/auto.mntの記述がマズくて71%のautofsの更新時に接続したISOファイルが見えなくなるとのこと。
 スナップショットに再度戻して電源をON。コンソールでログインして、/etc/auto.mntを

cdrom -fstype=iso9660,ro,sync,nodev,nosuid :/dev/cdrom

から

cdrom -fstype=iso9660,ro,sync,nodev,nosuid :/dev/sr0

と書き換えてautofsをリスタート。ISOファイルが/mnt/auto/cdromにマウントされるのを待ちます。そしてVDPのアップグレードページにアクセスして今日、3回目の更新を実行。今度はうまくいくかと思いきや、80%過ぎてWebページへの接続が解除されます。再度Webへのログインできる状態になってからログインするものの再び未接続。20分ほどほっといたのですが、何も動いていない感じでしたので、手動でシャットダウンさせました。結局、失敗です。
 トラブル続きで6.1.4へのISOイメージを使ったアップグレードはあきらめようかと思っていたところ6.1.3の日本語リリースノートに以下の記述を発見。

アップグレード プロセスの変更点:

  1. vSphere Data Protection構成ユーティリティは、アップグレードが86%完了するとログアウトします。それ以降の進捗状況を確認することはできません。
  2. アップグレードが完了してvSphere Data Protection構成ユーティリティがシャットダウンすると、メンテナンスサービスが実行されていませんというメッセージが表示されます。
  3. メッセージは無視し、スナップショットを削除せず、またvSphere Data Protectionディスクを独立させずに、vSphere Data Protectionアプライアンスを起動します。
  4. すべてのサービスがvSphere Data Protection構成ユーティリティで実行されており、すべてのジョブがvSphere Data Protection GUIに正しく表示されているかどうかを確認します。
  5. vSphere Data Protectionをシャットダウンします。
  6. スナップショットを削除し、vSphere Data Protectionディスクを独立させます。『vSphere Data Protection管理ガイド』に情報が記載されています。

 これ6.1.3英語版のリリースノートにも記載されていますが、現在、公開されている6.1.4の英語版リリースノートには記述がありませんね。
 改めてアップグレードを実施してなんだかんだで半日以上かかりました。この70%ぐらいでCDROMドライブが見えなくなってアップグレードができない不具合と、86%で経過が確認できなくなる件、6.1.3の時の話のようですが、うちの6.1.3から6.1.4でも起こりました。6.1.3から導入して素のままVDPのマシン設定は特に変更なく使っているんですけどね。いまだに残っているのはレアケースだからなんでしょうか。
 vSphere Data Protectionの6.1.3から6.1.4へのISOイメージを使ったアップグレードの方法をまとめると以下のようになります。

  1. 6.1.3のスナップショットを作成
  2. /etc/auto.mntの修正
  3. https://vdp:8543/vdp-configure/ からアップグレードの実行
  4. VDP仮想マシンがシャットダウンされるまでひたすら待つ
  5. 電源ON後、大丈夫そうならシャットダウン
  6. スナップショットの削除とディスクモードを独立型:通常に再構成
  7. 電源ON

 スムーズにいって、うちの環境で2時間半ぐらいの作業となりました。これでアップグレード完了ですが、仮想マシン名がvSphereDataProtection-6.1.3のままです。名前の変更はできますがvmdkのファイル名などは6.1.3と入っています。気にしなければいいのですが、これはもうバックアップデータも捨ててOVAファイルの導入時からやり直したほうがいいのかもしれません。