Windows Server 2008R2にpstoeditを導入したものの

 WordやExcelへのEPSファイルの読み込みが今後は更に難しく、場合によってはこのままEPSのサポートがなくなることが予想されるため、EPSに代わる方法を探しています。
 EPSを使用する主な目的は2次元CADデータからのベクタ形式の画像取り込みです。今はhp2xxを使ってEPSに変換したのをMicrosoftのOfficeソフトに取り込んでいます。Officeソフトでは他に読み込めるベクタ形式としてWMFかEMFもあり、これは今後もサポートされるでしょう。しかしhp2xxではその形式を出力することができません。
 そこでEPSをWMFかEMFに変換できるプログラムを探しました。サーバ側のスクリプトで自動変換するため、GUIでなくコマンドでの変換が必須となります。最初に見つかったのがpstoeditでした。Windows Server 2008R2での実行になりますので64bit版をダウンロードしてインストール。実行してみると

このコンピューターにVCRUNTIME140.dllがないため、プログラムを開始できません。この問題を解決するには、プログラムを再インストールしてみてください。

とのことで起動できません。このメッセージで調べてみるとVisual Studio 2015のVisual C++再頒布可能パッケージが必要とのことでマイクロソフトのページから入手して導入しました。そして、

C:\temp>"C:\Program Files\pstoedit\pstoedit.exe" -f emf test.eps test.emf

と実行すると今度は以下のエラーが。

pstoedit: version 3.71 / DLL interface 108 (built: Apr 1 2018 - release build -
MS VC++ 1912 - 64-bit) : Copyright (C) 1993 - 2018 Wolfgang Glunz
running-win command line: gswin32c -q -dDELAYBIND -dWRITESYSTEMDICT -dNODISPLAY

  • dNOEPS C:/Users/username/AppData/Local/Temp/2/psin3

Interpreter failure: -1
running-win command line: gswin32cgswin32c.exe -q -dDELAYBIND -dWRITESYSTEMDICT

  • dNODISPLAY -dNOEPS C:/Users/username/AppData/Local/Temp/2/psin3

Interpreter failure: -1
PostScript/PDF Interpreter finished. Return status -1 executed command : gswin32
c -q -dDELAYBIND -dWRITESYSTEMDICT -dNODISPLAY -dNOEPS C:/Users/username/AppData
/Local/Temp/2/psin3
The interpreter seems to have failed, cannot proceed !

 どうやらGhostscriptが必要なようです。これもWindows 64bit版のバージョン9.23をダウンロードして今度はエラーなく変換ができました。ネット情報ではGhostscriptの32bit版が必要とあったりしましたがpstoeditの最新版では64bitにも対応しているみたいです。
 これでEPSからEMFの変換ができるようなったのですが、できあがったEMFファイルをWordやAdobeIllustratorで開けると線の太さがすべて同じでかつ細いです。太さの変更はpstoeditの-minlinewidthオプションを使って、

C:\temp>"C:\Program Files\pstoedit\pstoedit.exe" -minlinewidth 12 -f emf test.eps test.emf

とかの指定で変えられましたが、EMFファイル全体の線の太さが同じになっています。Ghostscriptで元のEPSファイルを開くと、それぞれの線の太さは有効になっていますのでpstoeditの変換の問題なんでしょう。EMFだけでなくWMF形式を試しましたが同じ状況でした。
 さらに調べるとこちらのページに色がおかしいのはライセンスがないからとのこと。線の太さはともかく、pstoeditでさらなるEMFの対応にはお金が必要みたいです。まあ50ドルなんですけど支払ったところで線の太さの問題が解決するかどうかわからないのでpstoeditの使用はあきらめることにしました。