Inkscapeのバッチ処理で線の終端処理を一括設定する

 うちのCADデータをEMFファイルへ変換するのにInkscapeコマンドラインを使ってバッチ処理しているのですが、変換したファイルの線の終端がまっすぐに切られており、変換後のファイルで連続した線を拡大して見るとスムーズにつながっていないところが不満でした。
 SVGというかInkscapeの機能としてストロークのプロパティで端を角、丸、四角のうちデフォルトの角から丸へすることで線同士の終端がなめらかにつながっているように見えます。これをコマンドライン上でできないか調べたところ--actionsオプションで以下のようにすることで可能でした。バージョンは1.1.2になります。

"C:\Program Files\Inkscape\bin\inkscape.com" --actions="select-all;object-set-property:stroke-linecap,round;object-set-property:stroke-linejoin,round;export-filename:out.emf;export-do;" test.svg

 対象のtest.svgファイルをactionsオプションで実行可能なコマンドを並べる方法で、まずはselect-allですべての要素を選択して、object-set-propertyでstroke-linecapをroundに。object-set-propertyはInkscape内のコマンドというよりもSVGXMLを操作するコマンドのようです。したがってSVG属性のstroke-linecapを指定してroundにします。ついでにストロークの交点もstroke-linejoinとしてroundにしておきました。
 そしてexport-filenameにて出力ファイル名をout.emfとしてEMF形式で指定。これだけでは出力されないので最後にexport-doコマンドでファイル出力して完了です。今回、うちの目的が2016以前のOfficeソフトへの図の読み込みなのでEMF形式としていますが、export-filenemeでSVG形式を指定すればSVGへの出力はもちろん可能です。
 なかなかネット上にそのものの情報がなくて試行錯誤の末できるようになりました。