VMware vSphereの最新版6.5が公開されて、うちの会社の環境も6.0u2からバージョンアップをしてみました。
まずはvCenter Server Applianceをアップグレードします。ダウンロードした6.5のISOファイルをWindowsでマウントしてvcsa-ui-installer\win32\installer.exeを実行。WindowsからGUIによるアップグレードが可能です。最初、現在のソースとなるvCenter Server Appliance (VCSA)の情報を入力して、ここから情報を移行できるはずなのですが、エラーで止まってしまいます。C:\Users\USER\AppData\Local\Temp\vcsaUiInstallerにあるログファイルを見ると、以下のようなエラーが出ていました。
2016-11-17T23:50:27.848Z - error: Error in getting fileData for nodeType. Error: ServerFaultCode: A general system error occurred: vix error codes = (1, 4294967278).
2016-11-17T23:50:27.848Z - error: Failed to read the nodetype, Error: A general system error occurred: vix error codes = (1, 4294967278).
2016-11-17T23:50:27.849Z - error: sourcePrecheck: error in getting source Info: ServerFaultCode: A general system error occurred: vix error codes = (1, 4294967278).
vixエラーとのことですが読んでもよくわからないですね。とメッセージでGoogleで検索すると、そのものずばりこちらのページが見つかりました。VCSAのrootパスワードを再設定せよとのこと。アップグレード実行時にSSOのアカウント情報の他、rootパスワードの入力が必要なのですが、これ、昔に導入したときに決めたきりで通常はSingle Sign-Onのユーザーとパスワードしか使っておらず、忘れられた存在です。早速、sshでVCSAにログオンして、shellを有効にしてpasswdコマンドでパスワードを変更。これで再度installer.exeを実行して今度は問題なくいきました。どうやらrootパスワードの有効期限が関係している模様。
あとは一時利用するIPアドレスや、管理するホスト数に基づいたディスクサイズ、移行するデータの種類を指定したのみで、元のVCSAから設定を引き継ぎ、最終的には元のVCSAを自動でシャットダウンして、新しい6.5のVCSAが元のIPアドレスなども設定を引き継いで起動するところまでほったらかしで完了しました。VCSAの入れ替えほぼ全自動です。これはすごい。うちの環境で40分ぐらいで完了しました。
6.5のVCSAは従来のFlash PlayerからFlashなしのHTML5ベースのWebクライアントに移行していると聞いていたのですが、HTML5は一部機能が使えないということでFlash版も並行して使うようになっています。詳細はこちらを参照とのこと。使ってみたところ6.0から特にスピードアップした感じはありません。VCSAの再起動後、ログオンプロンプトが出るまではすごい速いですけど、そこからサービスが立ち上がってWeb接続できるまでは前と同様5分ぐらいかかりますね。変わった点ではWebコンソールでクラウド関係の項目が増えているのかなとの印象を受けました。
そしてホスト側のVMware ESXiも6.0u2からアップグレード。インストールISOを使ってこちらから起動して、あとはメッセージにしたがって更新です。特に問題なく完了して6.5のビルド番号4564106になりました。起動時の画面表示等も6.0の頃から大きく変化していませんし、機能的にはそれほど変化ない感じです。
最後にvSphere Replicationもアップグレードです。こちらは先日の更新と同じく、ISOファイルをReplicationの仮想マシンにマウントして、ReplicationのWebコンソールからCD-ROMを使用したアップデートを実行。再起動後、ベースとなるSUSEのアップデート処理がYaST2で行われてアップグレードが完了しました。VCSAへのユーザー名やパスワードを再設定する必要があるのもいつもと同じです。
これでとりあえず6.0u2から6.5への移行は完了。あとは仮想マシンのバージョンを上げたり、VMware Toolsの入れ直し等必要ですが、これらはもう少し様子を見て6.5が大丈夫と判断できてからにしようと考えています。