4月の更新でWordやExcelでEPSファイルが読み込めなくなった

 最近になって会社のWordやExcelでEPSファイルを図の挿入から読み込んだときに、赤い×印とともに

このイメージは現在表示できません

と表示されて挿入されない不具合が起こりました。以前は問題なくEPSファイルで作成した図を読み込めていたのですが。
 上記エラーメッセージで検索すると、オプションの詳細設定でハードウェアグラフィックアクセラレータを無効にするを有効化とか、通常使用するプリンターを変えてみてはとのアドバイスを見つけましたが変更前後で変わりありませんでした。
 前は問題なく最近ということで今月のWindows Updateで適用された更新プログラムがあやしいです。うちの環境はOffice 2010なのですが4月に適用されたパッチのうちKB3141538をアンインストールするとEPSファイルが読み込めるようになりました。このパッチが原因だったみたいです。
 上記説明ページには

このセキュリティ更新プログラムは特定のグラフィック フィルターを無効にします。

 とのことでEPSファイルに影響がありそう。更に調べるとKB3178702にその詳細があり、

Office内のEncapsulated Postscript (EPS) 用フィルターを既定でオフにする、Microsoft Officeの更新プログラムをリリースしました。

とのことで問答無用でEPSファイルの読み込みができなくしたそうです。その対応は安全性からわからないでもないですが、ふだんから業務でEPSファイルをWordなどに読み込んでいるものとしては仕事になりません。そこはまあ回避方法も提示されていまして、KB2479871に特定のグラフィックフィルターを有効にする方法が説明されていて、レジストリの該当のキーで

AllowListEnabledをREG_DWORDで0x00000001 (1)
EPSIMP32.FLTをREG_SZで2010.1400.4740.1000

に設定してKB3141538を適用していてもEPSファイルのOfficeソフトへの読み込みができるようになりました。

現時点では、EPSフィルターをオンにしないように強くお勧めします。

と太字で警告されていますが、社内で作成されたWordやEPSファイルを注意して使う分にはあるていど大丈夫かなと考えています。
 しかしまあ今まで可能だった機能をセキュリティ対策とは言え無効化してしまうとはMicrosoftも思い切ったことをしますね。検索しても全然話題になっていないところをみるとWordやExcelにEPSファイルを読み込むことがかなりマイナーなことを示しているのかもしれませんが。

2018/4/19追記

 いつかは修正されるかも、と待って1年。これは期待薄だなと調べるとマイクロソフトこちらのページが見つかりました。
 ここの記述によるとEPS読み込みのデフォルト無効化は恒久的なものみたいです。必要な人は上記レジストリにて対策せよと。そしてサブスクリプションのOffice 365では2018年5月からレジストリの変更もダメになるとのことです。マイクロソフトとしてはEPSはやめてEMFかSVGを推奨とのことなんですけど。今あるEPSを使う仕組みを変えるのは結構たいへんだぞ。