VMware vSphere 8.0環境へ移行

 うちのVMware vSphere環境は長らくバージョン7.0系で運用してきたのですが、そろそろ最新の8.0にしてもいいだろうとアップグレードを実施しました。ちょうど21日付けで8.0U2が出たところですが、用意していたのがひとつ前のU1で、7.0U3nの環境からの更新になります。
 こちらのドキュメントにあるように、まずはvCenter Serverを8.0にしてからESXiにとりかかります。ちなみにvCenter Serverが7.0のまま先にESXiを8.0にするとそのホストはvCenter Server 7.0から見れない状態になるのでご注意を。
 vCenter Server 8.0 Update 1cとESXi 8.0 Update 1aのリリースノートはこちらこちらから。
 vCenter ServerのアップグレードはGUIを選択しました。パッケージISOファイルをWindows端末でマウントしてvcsa-ui-installerフォルダ内のwin32フォルダにあるinstaller.exeを実行します。右上に言語で日本語も選べます。ほぼすべて日本語で操作が可能。インストーラのアップグレードと移行を順番に選べば、現状から簡単に更新できるようになっています。うちの場合vCenter Serverが1台の環境なので、これのログイン情報とかを複数の場所に同じように入れておけば進められました。間違った情報ではその場から進まないので、実際の作業に入ってからのエラーは極力ないような仕組みになっていると思います。あと現行と新しいvCenter Serverが並行して起動してデーター移行するので、新しいvCenter Serverには一時的なIPアドレスが必要です。移行が完了すれば自動的に新しい側も元のアドレスが設定されますので、この移行時だけで使うIPアドレスになっています。
 データ移行も予想時間が表示されて、完了後自動的に古いサーバーがシャットダウンされて、新しいサーバーが起動して完了です。ぜんぶで1時間もかからないぐらいでした。ちょっと気になったのが、更新中のメッセージウィンドウに閉じるボタンがありますが明らかに作業中なんですよね。閉じたところで裏で更新が動き続けるのか、またはそこで中止になってしまうのか、結果が不明のボタンです。今回まったく閉じるボタンは無視して押さなくて正解だったみたいですけど。
 自分の好みでvCenter Serverの仮想マシン名を前と同じにしたかったので、あらかじめ現行のvCenter Serverをインベントリから削除して、保存フォルダの名前を変更してから異なる仮想マシン名前でvCenter Serverを起動。そして上記アップグレード実行し、新しいvCenter Serverを従来と同じ名前で登録できました。
 つぎに各ESXiホストのアップグレードです。ホストをメンテナンスモードにしてから再起動。ESXiインストールISOファイルで起動します。ISOファイルからというところと、サービスの起動でちょっと時間がかかります。あとは順番に進めるだけ。現状からのアップグレードとして、選択するのはインストール先のディスクぐらいです。うちの環境で1台30分ぐらいでしょうか。順番に更新を進めて問題なく完了しました。
 改めて行ったのはDELLのiDRAC Service ModuleのESXi 8.0用を入れ直したぐらいです。
 古い7.0用のService Moduleもアップグレードで引き継がれていたので、まずは7.0用を以下のようにして削除。

[root@vm:~] esxcli software vib remove -n dcism
Removal Result
   Message: Operation finished successfully.
   VIBs Installed:
   VIBs Removed: DEL_bootbank_dcism_5.2.0.0.3156-DEL.700.0.0.15843807
   VIBs Skipped:
   Reboot Required: false
   DPU Results:

次に以下のように8.0用をインストールです。

[root@vm:~] esxcli software vib install -d /vmfs/volumes/sas/ISM-Dell-Web-5.2.0.0-3156.VIB-ESX8i-Live_A00.zip
Installation Result
   Message: Operation finished successfully.
   VIBs Installed: DEL_bootbank_dellism_5.2.0.0.3156-1OEM.800.1.0.19956994
   VIBs Removed:
   VIBs Skipped:
   Reboot Required: false
   DPU Results:

 最後に、仮想マシンのバージョンを20に上げるため、互換性からバージョンアップの指示と仮想マシンの再起動。ついでにWindows仮想マシンではVMware Toolsのアップデートもしておきます。
 これで特にトラブルなくvSphere 7.0U3nから8.0U1へのアップグレードが完了しました。以前、バージョン6ぐらいのころは、なんかうまくいかないことが多くて、結局いちからインストールして環境構築してたんですけど、かなり改善されているように思います。
 でも運用開始してひとつトラブルがありました。
 vSphere Replicationは7.0U3も8.0U1もバージョン8.7.0.3で同じでしたので、VRAの仮想マシンはそのままで、8.0U1環境にしてから起動したのですが各ホストから2分毎に、

ホストの構成中にエラーが発生しました: /usr/sbin/esxupdate returned with exit status: 7。

とのエラーが出るようになりました。このメッセージで調べるものの特にそれらしい報告はなく、ホストの/var/log/esxupdate.logを見るとvmware-hbr-agent.vibのダウンロードがエラーになっているようです。あとプロキシで接続できないようなメッセージもありますが、もともとプロキシ設定していません。
 vmware-hbr-agent.vibってと調べるとvSphere Replication関連のVIBとのことで、結局これはVRAの再構成をすればなおるかも。と https://vra:5480/ に接続して再構成でvCenter Serverの接続情報を入れ直すと直後からエラーは出なくなりました。アップグレード時のFAQな感じですね。
 vSphere 8.0の使い心地ですが、7.0からそんなに変化ありません。vSphere Clientのフォントがちょっと変わって文字が見やすくなったのがわかるぐらいです。今後も使う上でバージョンの追随は必要ですのでどんどんやっていきますし、まずはちかいうちに8.0U2への更新をします。