VMwareのインストール済み仮想Windowsで準仮想化SCSIアダプターに変更する

 VMware vCenter Server 8.0 Update 2aへのアップデートでトラブっている最中ですが、ふと仮想マシンSCSIディスクで、デフォルトのLSI Logic SASよりPVSCSIこと準仮想化SCSIアダプターにしたほうが性能がいいんじゃね。と前々から小耳にはさんで気になっていたのでやってみました。
 Ubuntu 22.04が入っている仮想マシンは、単純に電源OFFのあと仮想マシンの設定でアダプターの種類を準仮想化にして、電源ONで問題なく切り替わりました。
 変更後、体感できるほどの速度向上はないですね。こちらの記事によるとLSI Logicはハードウェアを完全に模擬するためそのぶんCPUが必要で、アクセス集中したときにCPUの使用率が上がる傾向とのこと。対して準仮想化は完全に仮想化したアダプターにならないのでCPU負荷が低くなるようです。でもうちの普通の利用状況ではそれほどの差にならない感じ。
 同じようにWindows Serverの仮想マシンで準仮想化のSCSIアダプターに切り替えてみました。しかし起動しません。起動ができないので強制的に再起動が繰り返され、最終的に復元モードに入ってしまいます。これはWindowsで標準的にPVSCSIのドライバーが導入されてないからでした。あわててアダプターの種類をもとに戻して起動するようになりましたけど。
 こういうのは説明書をあらかじめ読まないとだめです。こちらの記事の終わりの方に

kb.vmware.com

PVSCSI アダプタを使用するように既存の Windows 起動ディスクを構成するには:

とありまして、置き換えでなくアダプターとディスクを追加しろとあります。なるほど、ドライバーがない環境でWindowsを起動するために、今あるマシンに追加して起動した状態でドライバーを導入する手順となります。ここの表記にはディスクも増設せよとありますが、うちの環境ではアダプターのみ追加して、起動後デバイスマネージャーの記憶域コントローラーでPVSCSIが有効になることを確認しました。VMware Toolsがすでに導入してあったので改めてドライバーのインストール作業はせず、Windowsが起動すれば自動でPVSCSIドライバーが適用されて使えるようになっていました。
 これで再度、仮想マシンの電源をOFFにしてから、設定で追加していた準仮想化アダプターの削除と、従来のLSI Logicを準仮想化に変更して電源ON。今度は問題なくWindowsが起動しました。仮想のハードウェア構成が変わるのでOSの再認証が必要かもと考えていたのですが、Serverの2019やWindows 10など、複数の仮想マシンでそういうことはなかったです。
 うちの環境では効果は薄いのですが、性能を引き出せる方向なので気分的にいい感じです。