Ryzen 9 3900XTマシンを自作する

 昨年の9月にRyzen 7 3700Xマシンを導入しまして、負荷をかけ続けたときの安定さはまだ安心できないのですが、その性能からうちのメインCentOSマシンをRyzenにしたいと考えていました。狙い目はRyzen 9で3900Xぐらいです。最高スペックの3950Xは価格的に手が出ません。新しいZen 3も今年中にとの話もあり、それまで待とうかとも考えたのですが、情報ではZen 1から2で製造プロセスが14nmや12nmから7nmになったときほどの向上はなく、プロセスは7nmで同じでクロック数と消費電力の改善が主みたいとのこと。Zen 2でもまだ数年は戦えそうです。
 そんな中、Zen 3までのつなぎとしてちょっと改善されたXTシリーズが販売開始となりました。3900XTは販売価格の定価が以前の3900Xと同じで最大クロックが少し伸びてCPUクーラーがなしとなります。XTの発売でXの方が値下がったのですが、どうせ付属のCPUクーラーは自分の使い方ではより高性能なものに置き換えるので元から付属しない方がいいと思い3900XTを選択しました。
 発売されたところなのでどこも定価販売のなか、アークマザーボードセット販売で3300円引きのセールをしていたのでCPUとASUSマザーボードPRIME B550M-Kを注文。マザーボードの決め手はASUSでB550のいちばん安いもので選択しました。メモリーはCPUの対応最大速度が3200MHzなのでDDR4-3200のと考えてちょうどアークのタイムセールで安くなっていたのであわせて注文です。

 CPUクーラーは長期間の使用に耐える空冷で調査。それに水冷はWindowsの制御ソフトが必須だったりしてLinuxでは採用しづらいです。noctuaのNH-D15かDeepcoolのAssassin IIIが空冷最強とのことでここは値段優先でAssassin IIIを選択。電源はまあそこそこ評判がいいANTECのNE550 GOLDとして同時にアマゾンで購入です。

 選択が難航したのはケース選びでした。安さと3700Xのときの実績からTHERMALTAKEVersa H18を検討したところこのケースのCPUクーラー最大高さが155mmになります。それに対してAssassin IIIは165mm。仕様上で1cm干渉します。これが5mmぐらいでしたらケースに当たってもごまかして閉まるのでしょうが1cmは大きい。ということで取り付けられるCPUクーラーの高さを優先してのケース選びとなりました。しかしそれほど高価なものは希望していません。結局ヨドバシカメラのケースランキングで上位だったFractal DesignのFocus GのMicro-ATX用のMiniとしました。CPUクーラーの最大高さは165mmとなっていますのでおそらく大丈夫と判断です。ヨドバシカメラで購入。

 ストレージは現行i7-7700KマシンのM.2 SSDとHDDを、ビデオカードWindowsマシン用に使っていたGT1030を流用となります。
 先週の連休中に注文していたものが週明けに届き、この週末に組立を実施しました。前回のPC自作からそれほど時間がたっていないのでとくに問題もなく進みました。組み立てやすさを左右するケースFocus G Miniですが、まあまあですかね。付属しているネジは必要最小限で余分はありません。あと裏配線も可能なのですがそれほど広くなく余ったケーブルを収納する余裕はないですね。ケースファンは前面に光るのが2個付属で、背面の排気用がありません。背面ファンがないケースは珍しいですね。そしてCPUクーラーとの干渉はギリギリ、アクリル板に当たっている感じでケースが閉まらないほどではありませんでした。
 電源を入れてBIOS設定で気づいたのですが、3200のメモリーが2666で認識されています。ASUSマザーボードのD.O.C.Pという機能でメモリーXMPを読み込めば3200として動作可能で、これでメモリーテストを実施しても問題なかったのですが、なぜ2666で定格なのか不明です。あとBIOSのアップデートにASUS EZ Flash 3という機能を使うのですがこのマザーボード、インターネット経由でのアップデートができず、USBメモリーしか認識しません。一番安いB550のマザーボードだからからなのか、製品のホームページを見てもわからない情報でしたのでがっかりです。他のASUSマザーボードではPRIMEシリーズも含めてできていたんですけどね。まあ年に数回も使わない機能ですけど。
 OSは例によってCentOS 8を導入。しかし先日のgrub2の不具合でインストール後起動できず困りました。ネットワーク上からパッケージを入手すると最新のパッケージになるのでgrub2の問題もそのまま再現されちゃうんですよね。結局DVDインストールイメージからインストールして、その後のアップデートはgrub2を回避するように設定して現在運用しています。
 メモリーテストはパスしたものの、Prime95を24時間チャレンジ中に落ちてしまいました。ちょっと安定性にかける感じがします。3700Xマシンの方も熱かと思いきやBIOSのバージョンアップでだいぶましになりましたので、まだまだこのあたりAMDシステムに対するBIOS、kernel両方での実績不足なんでしょうか。Prime95実行中は全コアフルで動いて周波数は4070MHz前後と基本の3.8GHzは超えているものの最大の4.7GHzに全然足りていません。3700XのほうがPrime95実行中は同じく4100MHzぐらいなので、性能が出てない感じ。Zen 2 CPUをフルで動かしたとき、空冷の限界がこの辺なのかもしれませんね。